噺っ子連 2014・1・30(木)有難亭の稽古日。

 噺っ子連・有難亭の稽古日。

 宝須(ほうす)[松竹梅]、三人の稽古風景よし。
 貫学(かんがく)[権助魚]、上下の目線が、まだまだ。
 真仮名(まかな)[芝浜]。毎回、稽古のとき、マクラで「女が出来ない、出来ない」と
愚痴のように言うのはよくない。「やるんだ」という気迫を漂わせるようにしよう。
 耕作(こうさく)[粗忽の釘]、夫婦の味が出ているのがいい。
 梅八(うめはち)[転失気]、丁寧に配慮を尽くしている。
 良慈緒(らじお)[二番煎じ]、火の用心の声が冴えてきた。
 高塀(こうべえ)[味噌豆]、仕種をピシッとやろう。
 梅朝(ばいちょう)[天災]。
   台詞は登場人物の感情から出たものが最適だ、という点を、警告として言った。
   記しておこう。

   八五郎が紅羅坊宅を出ようとするときの台詞。

   八五郎 下駄が見当たらねぇんだがな。
   紅羅坊 近所の犬がはい入り込んで、咥え出しましたか。では、そこにあります、
       あたしの履物をお履きになって。
   八五郎 いいってことよ。犬が咥え出したと思うから腹が立つんだ。天が咥えて
       持ってったと思えば、腹は立たねぇ。これすなわち、天災よ。

   このあとに、演者の梅朝(ばいちょう)は紅羅坊にこんなことを言わせたのだ。

   紅羅坊 天が咥え出すことはないでしょう。

   折角、八五郎が心学の天災を心得たのに、それを打ち消すような台詞はいけない。
   紅羅坊の感情ではなく、演者である梅朝(ばいちょう)の心なのであろう。
   紅羅坊が己を否定するような台詞を吐くわけはない。
   人物の感情を的確に掴んで台詞を駆使しよう。

   鑑賞者を笑わそうとする前に、立ちはだかる大事な基本の一つにしてもらいたい。

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