落語のレッスン 2014・12・30(火) 

 落語のレッスン 1

 「声を出しますよ」という意識を脳に伝えましょう。
 どういう声かというと、大きな声、張った声、通る声、しっかりした声、はっきりした声。
 小さい声、弱い声、呟くような声、囁くような声は駄目です。
 前者の声を脳に伝えてください。

  普段、稽古場の狭い部屋で稽古をしていると、目の前でその噺を聞いているのは、
いつものお馴染みの稽古仲間。鼻の頭を突き合わせているようなもんだから、聞こえるし、
見えるし、どうしても消極的な声で終始してしまう。
 そんな声を、身に着けてしまうと、発表会では思ったほどの反応が得られないのに
気が付くことだろう。

 あたしは日大芸術学部で「落語の実技」の講座を開いているのだが、
多くの学生の声の小さいのには、指導者として「大きな声を出して」と
言うのも最近では面倒になってきている。
 「はい」と頷くが、声を出してくれないのだ。
 いや、出そうとしない、いや、出せないのではないかと、あたしは見て取った。

 「声を出して多くの伝えよう」と思う必要もないほど、会話は重要視されなくなった
社会で育ってきた若者に、あたしは無理な注文をしているのかもしれない。
 小学校の三教室ほどの広さの教室で、その講座をやっている。
 学生に演読をさせて、その教室の最後部へ移動して、耳を傾けるのだが、
声としては聞こえず、微かな音として耳に入ってくる始末なのだ。
 そういう声の持ち主は小学生にも多くいるが、大学生にもいるということを
日々、再確認している有様である。

 今、洒落っ子連・千川亭の雨米(うまい)が[二番煎じ]を挑戦している。
 夜回りの「火の用心~ さっしゃりやしょう~」の声が目玉の噺。

 彼は自分の町内の夜回りに参加しているというので、あたしも駆け付けて、
一緒に声を発した。
 まぁまぁの声を出しているので、あたしの「火の用心~ さっしゃりやしょう~」の
声をちょっと参考にしてくれたら、発表会での[二番煎じ]の出来も上々だろう。

 彼の普段の話し声は控え目なやさしい質でいいのだが、
ところが噺を演らせると、喉を締め付けて、そこから声を苦しそうに出す不健全な発声なので、
「火の用心~」で鍛えれば、吹っ切れるだろう。

 大いに期待する。


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