訃報 2013・5・9(木)関山和夫先生

 一の宮の関山先生、5月9日7時00に死去。

 三年前からの肺がんで…。83歳。
  
 関山先生は「あたしは落語評論家ではない、話芸研究家である」と言っていた。
 実家が寺院である先生は、法話の如く落語の解説を行ってきた、と言っても過言ではない。

 安楽庵策伝の研究、落語と仏教のつながりの解明を果たした自信もあり、
落語の歴史的重要性を説くその話術には熱の籠もったものをあたしは前座の頃から感じていた。
 そして、いつしか惹かれていった。

 あたしが埋もれた仏教に関する噺を掘り起こして口演すると、先生は子供のように
「いいな、いいな」と口にして喜んでいた。
 そんなことから、あたしは各地の寺院へ落語をやりに行くたびに、そこに伝わる伝説や
縁起を教えてもらい、後日、創作噺に仕上げる活動を始めるようになった。
 あたしが仏笑落語という造語を記するようになったのは、関山先生の影響である。

 もちろん、あたしの名古屋での圓窓五百噺を聞く会がゴールするには、
最後の最後まで後援をいただき、身に余る光栄を浴びてもらったことは感謝の
言いようがないほどである。

 名古屋の含笑寺での落語鑑賞団体、含笑長屋の活動は先生の大きな功績である。
 「落語に解説は必要ない」と批判する人もいるが、漫才、コントと同じような傾向に走る
落語の業界を見て、将来を悲しみ、「聞き手もしっかりしなくては」という思いが昂じての
含笑長屋のスタートであった。
 日々、興行する寄席では解説は不要であろうが、演者のレベルアップと平行して鑑賞者も
育たなくてはいけない。そのためには解説、研究も必要なのである。

 この先、演者も鑑賞者も肝に銘じてもいいはずである。

 名古屋で、年に一度でもいい、〔関山和夫記念〕と題した落語鑑賞会を開いてもいいではないか。
 安楽庵策伝を拝すると同様に、先生も拝するのである。
 合掌
 合掌。

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