一日一句 5月30日(土) 余話 俳誌〔筑波〕の百五十号記念

 この日、あたしにとっては長年の念願が叶った日になった。

 俳友の鈴木壽子(伽羅女)さんから声を掛けられて、俳誌〔筑波〕の
百五十号記念祝賀会に招かれて、講演と落語を演らせてもらった。
 会場は深川の芭蕉記念館。
 
 古典落語には芭蕉をテーマにしたものは皆無で、これをなんとかしたいと
思っていた。
 そこで、当日、芭蕉の逸話の一つから[三日月の]という創作を披露した。

 奥の細道の行脚途中、芭蕉と曾良の二人はある土地で百姓連の句会に
名を伏せて参加するはめになった。
 名月という題。
 芭蕉は「三日月の」と吟じた。
 一座が「題が違う」と呆れていると、芭蕉は「――――頃より待ちし今宵かな」
と続けた。
 一座は驚嘆して無礼を詫びて「あなたは噂の芭蕉翁では? さすが、見上げた
ものです」と称える。
 芭蕉曰く「弟子の曾良(空)も見上げてください」

 この落ちは、あたしが作って付けたものだが、芭蕉落語の誕生の瞬間でもあった。

 この逸話は、嘉永三年刊行の〔松亭漫筆〕にあり、著者(松亭金水)によれば
鎌倉時代の〔古今著聞集〕にも同様の説話があるという。
 芭蕉の伝記としての史料的な価値はないにしても、芭蕉を極端に神格化せず、
芸能にも登場させたい、と思っている。

 芭蕉が尊敬した歌人西行にはその傾向があり、当日、ついでに[鼓が滝]も
口演した。

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この記事へのコメント

筑波150号記念 お咄し 質問者
2009年06月06日 10:09
芭蕉逸話、「三日月の……」の出典を拝見、」ありがとうございました。当日、主点の質問をいたしてものです。これでよくわかりまいた。あらためてのご連絡、ご放念ください。ありがとうございました。以上、電筆にて 草々 杉 仁<143-0023大田区山王4.28.1/T&F 03-3775-1494>
筑波150号記念 お咄し 質問者 追伸です
2009年06月06日 10:12
「当日、主点の質問……」は、「当日、出典の質問……」のまちがいでした。スミマセン。あしからず。
圓窓
2009年06月08日 13:13
杉さんへ。

>>芭蕉逸話、「三日月の……」の出典を拝見、」ありがとうございました。

 先生への報告はもう少し手元の資料を整理してから、と思ってますので、、、。
2009年08月19日 21:34
ミラクル
2009年08月19日 21:37
ございました
おかげで宿題が終わりました
本当にありw

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