コラボ 4月5日(日) 熊本「468ながせ屋」

 「セロと落語のコラボ」。雨はあがって晴れ。二回の公演。

 先ずは店を会場として。店の名を「468ながせ屋」。
 この番号は手作りのピアン(スティーンウエイ)で特別ナンバーが刻まれる
らしい。ピアニストの杉谷先生からこのピアノを譲ってもらった、大森さんは
嬉しくて店名に記した。
 杉谷先生はときどき、この店に来てはピアノの上で寝るという、豪快な
人らしい。
 店では45人の大入り。
 圓窓[おはぎ大好き]。セロとピアノ・有泉夫妻。コラボ[セロ弾きのゴーシュ]
という番組。

 セロとのコラボなんだが、最後の場面は彼の妻の悠子さんにピアノを
弾いてもらっている。
これまでに二度やってきたが、どうもひっかかる。
 もちろん、原作にはないのが、ピアノ。
 しかし、なんとか必然性をもたせなくてはと、思い立ち、思考した演出を、
二人に言わずに変えてやってみた。
 あたしの噺だけの変更で、二人の曲に変更をもたらせないので、よかろう
と勝手に考えてのこと。

 原作にないものを挿入した。そして演った。

1 稽古の場面で楽長がゴーシュに駄目出しをするときに、「ゴーシュ君。
 先日、女房を亡くしたのは悲しいことだ。同情はする。けど、いつまでも
 それに浸っていてセロの腕を駄目にしてはなんにもならないぞ。
 女房はいいピアニストだった。爪の垢でも貰っておいて煎じて飲んでおけば
 よかったね。もう手遅れだがな」
  と付け加える。もちろん、原作にはない。

2 カッコウがゴーシュに駄目出しをする場面で、「先生、あたし知ってます。
 先生が亡くなった女房のために曲をつくったのを。
  そして、それをときどき弾いているのを。
  あの世の女房に贈るつもりなんでしょうが、曲はよくできてますが、今の
 先生の腕ではあの世の女房の所までは届きませんよ。
 もっと、心を魂を込めなければ届きませんよ」

3 野ウサギ親子にゴーシュがパンをやる場面。
  あたしはそれを伸ばして、野ウサギがパンを食べて「美味しい、美味しい」
 だけでなく、「もう少しください」と言う。
  ゴーシュも嬉しくなったんだろう、自分のパンまで差し出した。
  それも食べ切って「もう少し」「もうないよ」「そうですか。美味しいものとか、
 いいものはあとを惹くもんです。音楽もそうですから」
  「じゃぁ、取っといて、今度きたら上げるから」と約束をする。

4 成功をおさめた音楽会の夜。
  水車小屋でゴーシュさんを歓迎した動物たちが「先生。女房に贈る曲を
 聞かせてください」とせがむ。
  照れたゴーシュは一度は断りながらも弾き始める。
  途中から、ピアノが音が入ってくる。終わって、動物たちが感動して、
 「ピアノの音が入りました。きっと女房があの世で弾いたんですよ」
  ゴーシュが照れて「まさか」。
  野ネズミが「先生のセロがいいもんで、女房があとを惹(弾)いたんです」

  高座のあたしにピアノの音が聞こえたときには、ぶるぶるっと震えてしまった。

この記事へのコメント

流三
2009年04月08日 07:43
震えますね。
まるで「たちきり」の三味線のようです。
セロの音色を主役にし、ビアノが後を惹く(弾く)・・。
景色が浮かんで来ます。
圓窓
2009年04月08日 11:42
流三さんへ

>> 震えますね。まるで「たちきり」の三味線のようです。セロの音色を主役にし、ビアノが後を惹く(弾く)・・。景色が浮かんで来ます。

 流さんは東京での公演も聞いてくれてんで、改訂のコラボも想像できますよね、、、。
 店主の大森さんに会わせたいですよ。
 

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